1.最悪な日

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「帰るなら、送るけど?」 思わぬ問いかけに驚いて肩がビクッと上がった。 「っおっ!起きてたのかよ!!」言いながら、勢いよく振り返った。 「あぁ?起きるだろ、あんな、大声あげたら」 「き、聞いてたのかよ!!」 「ってか、シャワー使ってけば?ベトベトだろ?」 「はぁっ!??何言ってんだ」 「え、なに?一緒に入りたいの?いいけど」 確かに体は、怠いし汗ばんだ体は気持ち悪いけど、家に帰ってゆっくりと湯船に使って心を落ち着かせたいんだよ、俺は! 何より……ニヤつくお前のその顔を今は見たくないしな! 「やっ!大丈夫!!じゃ!」 バンッと勢いよく部屋を飛び出し、扉の前で、ヘタレこんだ……。 しゃがみこんで、頭を抱えた俺の姿をたまたま通りかかった住人が、怪しげな横目で見ていく。
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