1.最悪な日

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俺は、タオルで髪の毛を拭きながら、膝に両手を置いている男を足蹴にしてやった。 今は、教師とか年上とか関係ない。 完全なる不法侵入者に対して、正当な対応だ。 そして、ここまでの流れは全て俺の家のリビングで繰り広げられている。 「だいたいあんた何しにうちに来────「どぉもすみません、うちのバカ息子がいつもお世話になっておりますぅ」 トレーを抱えた母さんが、甲高い声で登場。 どっから、湧いて出てきたんだよ。 『わぁ、おにいのガッコの教師??すげーかっこいーんだけどぉ!!』 続けて双子の妹たちが声を揃えて顔を出す。 マジあり得ない。 なんなんだよ。 賑やかくなりすぎだろ。 「やぁ、抜き打ち家庭訪問ってやつです」 デレっと表情を変えてボッサボサの髪の毛をボリボリとかく。 「あら、こんな休日にもご苦労様です。粗茶ですけど、どぉぞぉ」 『センセ―って大変なんですねぇ』 んなわけないだろが!! アホかこいつら! 声揃えてるんじゃないよそこの、双子! そう。 この男。俺の学校の高校教師。 確か臨時教師って言ってたけど、受け持つ授業は他のどの先生よりもわかりやすい。 だがこの男には重大な欠陥がある。 それは─────
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