1.最悪な日

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「ねぇ母さん、なんで俺には茶、ないの」 母さんは、俺を睨むと「朝帰りした子には、ありません。先生は、ゆっくりしてってくださいね、何もお構い出来ないですけど」と言って妹たちの襟をつかみ共に、リビングを後にした。 「おかまいなくぅー」 母さんの方を見ていたかと思うと、にやりと笑った。 この笑い方は危険だ。 俺の脳内の警戒音が1オクターブあがった。 「部屋に案内してくんないのか?」 「誰がするか」 そっぽを向いて、髪の毛を拭いたタオルをテーブルに投げ置く。 「ま、そのうち、案内したくなるからいっか」 立ち上がり投げ置いたタオルを手に取り、濡れた髪の毛を拭きながら、オレとの距離を詰め、耳元で囁く。 「あ?どういう意味だ変態教師」 ビビって距離を取る、俺ににじり寄る変態教師。 「いいねっ!その反応!!もっと見せてよぉ」 グッジョブと言いながら親指を立てる。 くそっ。 会話が成り立たない! そうこの臨時教師、とんでもなく変態だって事─────。
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