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―――――。
色々と、思考が廻っている。
何故か今、目の前にいるこの男を見上げながら、一年前の出会いを思いだしていた。
「倫太郎、今何考えてんの?」
目の前にあるその無駄に整った顔を睨みつけ「何も考えてない」と言えば「嘘だ。俺の目はごまかされないぞ」とまた顔が近づく。
壁ドンをやられるのは毎度の事。
これをやれば俺が逃げられないことを承知でわざとやってくる。
何度やられても、それは新鮮で、ついドキッとしてしまうあたり、きっとこいつにばれてるんだろうと思うほど。
こいつが俺の部屋に来るのはこれで二度目。
以前は、俺がうっかり落とした電子辞書を届けてくれた時。
あの時は、有太が変なテンションになってヤバかったけど……。
今この状況もかなりヤバイ。
朝だ。
まだ言うが、今は、朝。
前夜に何があったかなんてもう考えたくはない。
しかも、事もあろうに俺は今、あの日の放課後の事を思い出し、少し反応してしまってる。
そんな自分に腹が立つ。
しかも、その時の行為が、少しばかりよかったなんて思ってたり……その相手が、この目の前にいる無駄にイケメンを自覚している変態教師に……。
フルフルと体を震わせていると「え?どした?そんなに俺に抱かれたかった?」って……。
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