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番外編「やばい彼氏が風邪をひいたら」
長い長いゴールデンウィークが終わり、俺も恭平も日常が戻ってきた。
ゴールデンウィークは休みだからと言ってダラダラ過ごしていた訳では無い。
規則正しい生活はみ出したくなかった俺は、何時ものように起きて朝飯を食べていた。
寝ている恭平を起こしに行くと、朝から脱がされ抱かれた。
休みも後半になれば俺も学習して恭平は放置。
ムスッと不貞腐れた恭平が寝室から出てきて結局の所リビングで襲われた。わかっちゃいるが恭平の性欲の強さは半端ない。
朝昼晩問わずサカっている。
そんな恭平がある日の日曜日昼過ぎになっても起きてこなかった。
いささか気になり寝室に足を運ぶと、布団がもりんっと盛り上がった状態で丸くなっていた。
「き、恭平?」
「……」
布団を捲ったら実はドアの後ろにいて後ろから抱きつかれるとか?
と思案したけど、布団を握りしめたまま開いたドアの隙間に視線をやってもそこに恭平はいなかった。
珍しく布団の中にいたのだ。
「どうしたんだよ。夜更かしし過ぎた?」
「……んん?……いや、あぁ……なんかさ、身体が凄くダルいんだよね。あれかな……」
「あ?」
「わたし妊娠したかしら」
「……」
俺はそのまま布団を頭まで被せその場を離れようとした。
すぐさま布団の隙間から手が伸びてきた。
「!!」
握られた手はかなり熱く少し汗ばんでいる。
振り返りまた布団を剥いで恭平のおでこに自分のおでこを当てた。
「……」
妙に静かにしている恭平の整った顔が目の前にあるが、何処か虚ろな瞳は少し潤んで見えた。
「あぁ……倫太郎の手冷たくて気持がいいなぁ」
キュッと握られた手にはあまり力が入っていない。
「それにさ、このこれ、いいよな」
反対側の手で今の状況を指さしている。
「倫太郎の顔が近い。襲いたくなっちゃうな。手始めに濃厚キスからいい?」
「バカか。冗談言ってないでちょい待っとけ」
おでこから離れようと身体を起こしたが握られた手を引っ張られ恭平の胸に倒れ込んでしまった。
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