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博士の研究は芳しくなかった。
早く理緒の願いを叶えてやりたい、そう強く願うも、理緒の成長を止める為の装置は実現化しなかった。
実験の失敗を重ねる度、理緒を失望させ、精神を狂わせた。
博士は思う。このままでは理緒は私の元を離れてゆくのではないか。
子供の姿を留められず大人になった理緒に、私が不必要なのは明白だ。
いつまでも理緒を側に置いておく為にはどうしたらいいのか。
博士の頭に時折フッと暗い妄想がよぎる。
肉体の時を止める、それが彼の願いなのだから……
理緒は連続児童失踪事件の4人目の失踪者になった。
研究所職員の話から、理緒との肉体関係が疑われ、容疑者となった博士も姿を消した。
警察が博士の研究所を家宅捜索する。
「博士は異常者か?」
地下第2倉庫のドアを空けた刑事が、驚いたような呆れたような声を出す。
「この状況を見れば異常者に間違いないでしょうね」
先に室内に居た刑事が答える。
部屋に並べられた2つの巨大な水槽の中に裸体の少女や少年逹が沈められている。彼らは失踪していた少年少女逹だった。
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