夏彦を殺せ

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「理緒く~~~ん! 待ってたよ~!」 今日の放課後も、玄関の下駄箱に背を寄りかからせて夏彦が立っていた 「帰ろうか、夏彦」 「うん!」 上履きから、靴へ履き変え、玄関を出る2人。 「今日のテストどうだった?」 「ん~、0点だよ」 「勉強してるのか?」 「僕、問題読んでも、何書いてあるのか解らないんだよ~」 「深刻だな」 「ん~、ずっと困ってるんだ」 「中学までは義務教育だからいいけど、そんなんじゃ、進学出来ないぞ」 「中学卒業したら、お父さんが僕を知り合いの工場に就職させてくれるって言ってたよ~」 「お前じゃ進学は無理だろうからな」 「うん、工場でパン作るの」 「可哀想だな、夏彦」 「え?」 「お前は僕と同じクラスで、僕が一緒だから毎日平和に暮らしてるけど、僕がいなかったらどうなるか解ってるか?」 「虐められるね……」 夏彦は顔を急に曇らせる。 「小学校ではずっと虐められてたんだってな」 「うん」
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