第二章 異世界と絵画

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 そうと分かれば。 「ルコ、追いかけてくるよ!」  瑠湖(るこ)が駆け出していったのを見て、餡子(あんこ)は叫んだ。 「ちょっと先輩! また勝手に!!」  慌てて瑠湖(るこ)を追いかける餡子(あんこ)。  レミリも急いで二人を追いかけて走り出した。  甘利(あまり)はその場に取り残された、というよりもわざと動かなかった。  もともと走るのが得意ではないこともあるが、すぐ近くの絵画を売っていただろう商売人の場所が後で分かるようにその場に残ったのだ。  しばらく待っていると、3人はこの場所に戻って来て甘利(あまり)を見つけたのだった。 「どうでしたか?」  甘利(あまり)は結果は分かっているが、一応聞いてみた。 「全然ダメ、見つからなかったわ」 「馬車はもう出ちゃったんだって……」 「困りましたわ……」  元の世界に帰るにはまったく同じ絵の絵画を見つけて触れる以外に方法がない。 「絵画は一つではないとのことですし、それを売っていた商売人の方にまずは話を聞いてみては?」  絵画の異世界における情報を手に入れるのだ。  こうして、元の世界に戻るための具体的な活動を始めることにした。
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