第三章 ギルドと怪盗

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 しばらくして呼ばれた部屋に行くと、ソファーがあって甘利(あまり)たちの反対側には初老の女性が座っていた。  ギルドの全体をまとめる管理職といったところか。  この職員全体の上司であり、ギルド長のすぐ下の補佐に当たるとのことだ。 「なにか職歴はありますか? 得意なこととか。もしなければ雑用が中心のお仕事を案内しますから」 「え~と、私たちはもともと探偵事務所で働いていたんです。とはいえ、仕事はあまりなかったのでこっちに出てきたというかなんというか」 「探偵というのは何でしょう?」 「まあ、トラブルを解決したりする仕事ですね。テレビだと事件や謎を解明するみたいですけど」 「そうですか、では、ギルドの困りごとやトラブル解決を仕事としていただくのではどうでしょう? 最近は、なにかとおかしなことが起こっているので、ちょうどよかったですよ」 「じゃあ、それがお仕事?」 「もちろん、普段はこちらの冒険者の施設内で仕事をしていただきますが、何か問題が起きたときは解決をしてもらうという形です。仕事の振り分けテストというわけではないのですが、先ほど話した謎の出来事の手がかりを見つけていただけますか?」 「もしできなかったら?」 「その場合は普通に職員として働いていただきます。ただトラブル解決のほうが特別な報酬がでますから、ぜひとも謎を解いていただけるのがこちらとしてはうれしいですね。期限は一週間くらいです。解けなくてもペナルティはありませんし、あくまでも適職を探すだけですから」  こうして一週間以内の解決の間、仕事の説明を受けながら謎の解明を行うことになった。
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