第三章 ギルドと怪盗

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 その日の夜。  ギルドは夜まで営業しているため、明かりがついていた。  だが、一瞬光が消えたかと思うと、内部からは困惑した声が漏れしばらくして再び明かりがついた。  餡子(あんこ)は箱の片づけをしている途中の停電に驚いた。  電気は魔力から供給されたもので、それを一括で消すためにはギルド奥のスイッチを切らねばならない。 「なに今の?」   「事件の匂いですわね」  それは正しかった。  職員たちの大きな声が響いた。 「な、なんだこれ……!?」 「絵画がない!? 盗まれたのか?」  ギルドロビーに置かれていた偽の絵画が盗まれていたのだ。 「何か床に落ちているぞ……」 「うわっ! なんだこの大金は!?」  絵画のすぐ下には時価相場にあたるだろう金額の貨幣が袋詰めされて置かれていた。 「でも、あの絵画は本物じゃないよね……」  餡子(あんこ)は3人に話してギルド職員の人にあの絵画が偽物であったことを伝えることに決めた。
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