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どうして、報酬を受け取らず、素材だけ置いていくのか?
なぜ一方的にギルドの利益になるようなことをしていくのか?
なぜ犯人は素材を置いていかなかったのか?
絵画を盗んでお金を置いていったのはどうしてなのか?
そして、ようやく口を開いた。
目の色が変わったように、澄んだ瞳を甘利(あまり)はしていた。
「……これなら、ありえるかもです。皆さん。明日、商人のおじさんのところへ行きませんか?」
翌朝、市場に出向いてみると、いつものスペースにはおじさんがいなかった。
商人をやめたのだから当たり前ではあった。
近くのスペースに座っていた人に聞いてみると、別のところで働き始めたのだという。
また近くの小屋に住んでいるらしいことも分かった。
それからは二組にわかれて移動することにした。瑠湖(るこ)と甘利(あまり)は仕事している店。残りの二人は小屋にだ。
仕事先は、ちょっとした居酒屋だ。おじさんは調理人の補助として働いていた。
休憩を見計らって声をかけることにした。
「こんにちわ」
瑠湖(るこ)が声をかけると、それに反応したおじさんが瑠湖(るこ)と甘利(あまり)に挨拶を返した。
「やあ。どうしてこんなところまで?」
「ちょっとお話をお聞きしたいんです」
甘利(あまり)はそう切り出した。
「話ってのは? そういえば、そっちのお嬢さんとはまともに話をしてないな」
「そうでしたね。ところで突然お聞きするのは失礼かも知れないんですけど、もしかして先日絵画を盗みませんでしたか?」
「……なに、を言っている?」
明らかに動揺した顔でおじさんは甘利(あまり)を凝視した。
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