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バイトの4人が事務所に到着すると、その絵画に注目が集まった。
「これなに? 探偵事務所に似合わなすぎ」
当然のごとく餡子(あんこ)はツッコミを入れた。
「なんか高そうだね!」
頭の緩い反応を返すのは瑠湖(るこ)だった。
「実はですね。異世界と交信できる絵画を闇オークションで競り落としてきたんです」
「闇……オークション?」
思わず餡子(あんこ)は聞き返した。
レミリはありのままを口にした。
「そうですの。日本で言うヤクザとか暴……」
「もういい。それで異世界がどうたらって?」
話を途中で止められたレミリは切り替えて言った。
「昨日、話していた異世界。そういえば、オークションでそんな物品が取引されるというのを思い出しまして。私自ら競り落としに行きました」
「……」
餡子(あんこ)もさすがに驚いて何も言えなかった。
「じゃあ、これで異世界と交流が出来るの?」
瑠湖(るこ)はなぜか嬉しそうにテンションをあげた。
「まだ試していませんけれど、確かなスジの情報で間違いなく。異世界とつながる物品だそうです」
女子高生4人は飾られた絵画の前で同時に首をひねった。
「どうやって?」
口に出したのは、餡子(あんこ)だった。
「あ! そういえば説明書をまだ読んでいませんでした!」
「説明書あるの!?」
「少々お待ちを……」
バッグから分厚い説明書を取り出して読み始めた。
そしていよいよ異世界との交信が始まった。
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