3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「頑張っているハルさんを
社長自ら労ってるんだから良いじゃない。」
「社員がいないのを良いことに
貴女はデスクで酒飲んでるますしね。」
「一緒に飲みたいのにハルがお酒飲めないから、
わざわざ珈琲淹れてあげたんでしょうよ」
「飲めないんじゃなくて、
五感が鈍るから、飲、ま、な、い、んです。」
そう言ってむくれる彼を、可愛いと思ってしまう。
でもそれを言ったら怒られそうだから、
作業途中で机の上に散乱しているパターンや生地見本を眺める。
ふんわりとしたシルエット。
甘すぎず、上品で
花のようなワンピースが出来るのだろう。
物腰の柔らかい彼が創り出す洋服は、
着るものの心を躍らせる。
それはいつも社長として
完成品に1番に袖を通してみる私も
例外ではない。
最初のコメントを投稿しよう!