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『以下を持ちまして、平成27年度西園寺学園の入学式を……』
太陽にも負けないくらいのキラキラと輝く金髪を靡かせて黒渕めがねをくいっとあげるその動作にさえ周りの生徒がざわめく
そんな声にも動揺することなく副会長である月成嶺―ツキナリ リョウ―はにっこりと笑う
────入学式から1ヶ月がたち少しずつ学校に慣れた頃
僕は理事長室にへと足を運んでいた
『はあ、やっと着いた』
コンコンコン…
『1―A、西園寺奏―サイオンジレイ―です。』
コンコンと控えめにドアをノックすれば
重厚感溢れるドアがギギィと音を立てて開く
『お待ちしておりました。奏様。どうぞ中へお入りください。』
そう僕を招き入れるのは秘書兼執事である速水彼方―ハヤミ カナタ―さんだ
肩まで伸びた黒髪にはえるような綺麗なエメラルドグリーンの瞳をしている
中へ入ると黒で統一されたこの部屋は、秘書の趣味なのか、はたまた理事長の趣味なのかわからないが至る所にサボテンや見た事もない観葉植物が置かれている
仮眠室の扉が開き中から
『りじ『奏ー!!会いたかったぞー!って、なんで避けるんだ奏!!』それは、父さんがウザいからですよ』
父さん兼理事長である西園寺潤―サイオンジ ジュン―が抱き付いてくるのを僕は華麗に避け冷めた目で父を見る
『ちょっ、酷くない?!父さんに対して酷くない?!』
『‥‥‥』
『やめて!そんな蔑んだ目でみないで!父さん泣いちゃうから!!』
まぁ、父さんをからかうのもここらへんにしとこう
あまりやり過ぎると、本当に泣いちゃうからな
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