2人が本棚に入れています
本棚に追加
「まったく、嫌になりますね」
これからわたしに降りかかるは、世にも恐ろしき生き地獄。
どうしたら、楽に死ねるかを考えて、早く殺してください、と哀訴嘆願する毎日。
それらを思えばここでの生活は幸せで、よくよく考えるとやっぱり不幸で、いやいやでもそれでも、側だけ見ればそこそこ幸せだったような気がしないでもない、例えるのなら幸福な悪夢の中で微睡んでいるような、そんな日々でした。
そしてわたしは、いつも彼女の咆哮で目を覚ますのです。
いいえ、今は違いました。
パンくずの魔女が、わたしの頭蓋骨と脳みそを咀嚼するその音で、目覚めるのです。
がりごりがり。
「お願いですから、早く殺してくださいね」
がり。
最初のコメントを投稿しよう!