病気と過ちの時間

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「前に花を選ぶのに悩んでいたのを色々教えてもらって助かったので、またオススメを聞こうと思ったんですが…」 「なるほど…紗耶ちゃんって花のセンス良いからね。と、言っても僕も一応店長だから花には詳しいですよ?」  店長さんはクスクス笑って楽しそうに言った。  伊月くんも「失礼しましたっ」と言って一緒に笑って楽しそうだ。  嫌だな…モヤモヤが止まらない…。 「神奈、右目は何とか見えそうか?」 「うん…少しピンぼけしてるけど、見えるよ…」  僕はモヤモヤから何とか笑顔を向けて言い、繋いでいた手を気付かれないように離そうとした。  それに気付いてか気付いていないのか、伊月くんは離れそうになった手を強く握り直した。  離そうとしてた筈なのに…強く握られた手は嬉しくなってしまう。
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