第3章 熊男

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セレは魔法書で薬の事を調べ始めた。ヴァシュロークの魔法書は医学書も兼ねている。 「今、それをどこから出した?」 エルグが不思議そうにきいた。 バッグから出した様子も無いのに、セレの手にはいつの間にか魔法書があった。 「これは持ち主が必要とする時には出てくる物なんだ。」 「へえ~。」 エルグ達にとって魔法使いは謎だらけだ。彼等の国には魔法使いはほとんどいない。 「その薬の材料はもう少し西に行った方が手に入りやすい様だ。 俺たちも西に向かうんだ。町もあるから医者もいるかもしれない。一緒に行くか?」 「うん!そうしよう、お兄ちゃん!」 セレの誘いにルルグが答えた。 「ああ!お願いする!」 エルグは頭を下げた。 「旅の仲間が増えたな。」 セレは笑顔でピアリを見た。 「ええ。賑やかになるわ。」 ピアリも嬉しかった。 「セレは口数が少ないんだもの…私、もっともっとしゃべりたいの!」 …そうだったのか… セレは少し引き気味の顔になった。
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