第4章 響く歌声

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数日後、ノーラの刑が決まった。 「鞭打ち12回だそうだ。」 診療所に来た患者達から伝え聞いた。 12回というのは、ノーラが窃盗、傷害を重ねた回数だ。 エルグは鞭の痛みを良く知っていた。 「いつ?」 「明日。広場で。」 セレとエルグは 「俺達は見届ける。」 行く事にした。 ピアリとルルグには診療所に残る様に言った。この2人に見せるのは残酷だ。 次の日。 広場にはかなりの人数が集まっていた。 時間になり、役人がノーラを連れて来た。 「…ノーラ…」 エルグの顔は既に蒼白だった。 ノーラは広場の中央に立てられた柱に両手を縛り付けられた。 それだけでも屈辱だろう。 役人のそばには身なりの良い男性が立っていた。ノーラの父親だろう。 その後ろに隠れる様に立っているのは多分母親だ。泣きながら震えている。 ノーラの白い背中がはだけられた。 鞭が振り上げられた。 「1かーい!」 ビッ!と響く鞭の音と、ノーラの悲鳴… 「2かーい!」 もう血が滲んでいた。 エルグは目を固く閉じて耳を塞いでいた。 セレもさすがに眉間にしわを寄せていた。
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