第4章 響く歌声

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カラスが帰り着いたのは… 「城だ…」 小さな城だ。王城ではない。貴族の居城だろう。 再び近くの木に登り、城壁の中を覗き見る。 カラスはある部屋に入り、しばらくしてまた何処かへ飛んで行った。 「…あそこか。誰かいるな。」 窓際に出て来た人物には見覚えがあった。 「あの時の医者だ!」 ノーラの鞭打ちの場にいた医者だ。 近付いてみる。 魔法使いの気配は無かった。 木から城壁、そして屋根へと跳び移り、部屋の様子を伺った。 話し声が聞こえた。 「ノーラ様は明日、おいでになるのですね。」 「うん。今度こそ上手く行く。魔法使い用の牢に入れるから用意しておけ。」 「はい。」 城内に牢獄があるという事は、領民を裁く権利があるのだろう。 幾つかの村を束ねる立場の者と思われる。 ノーラの家よりも格が上らしい。 「まさかノーラが歩ける様になるとはね。」 「はい。魔法というのはすごいものですね。」 「だから今回、魔法を封じるのだ。」 「今度こそレビン様のものになられるでしょう。」 レビン…獅子。医者の名前だ。 誇り高き、ではなく、よろしくないプライドを持った獅子だ。
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