第4章 響く歌声

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「さあ、今度こそ出発だ!」 セレ達は村を後にした。 村を出てしばらくしてから、突然セレが何かに気付いたように声を出した。 「あっ…!」 「何だ?」 エルグがたずねた。 「温泉に入れなかった…」 セレは肩を落とした。 「あはは…」 最初に笑ったのはピアリだった。 こんな事でガッカリする姿がセレらしくなくて、何だか可笑しかった。 エルグとルルグもつられて笑い出した。 穏やかなみんなの笑顔に、セレは不思議なほどの幸せを感じた。 …いつまでもこの旅が続けばいい… そんな祈りにも似た感情がセレの胸に湧き上がっていた…
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