第5章 風車小屋と竜

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ウォールは毒気を抜かれておとなしくなった。 結局、みんなと川原でベイクドポテトを食べた。 セレはウォールの隣りに座った。 「これからどうするんだ?」 セレがたずねた。 「何故そんな事をきく?」 ウォールは怪訝そうに答えた。 「興味があるだけだ。別に意味は無い。」 「俺に興味?」 「この前やり合った時『寂しいもんだ』と言ってたのが気になってね。」 「そんな事言ったかね…。ここだと独りだからかな。俺だって行く所に行けば、一応仲間と呼べる奴はいるさ。…俺もお前に興味がある。」 「俺の生い立ちか?」 「そうだ。お前、ロストークの王子だろう?何でこんな所にいるんだ?」 「…どこまで知ってるんだ?」 「お前の本名。死んだとされている事。7年前まで離宮にいた事。それ位だ。」 …『フィズ』の事は知らないらしい… 「俺は生まれつき身体が弱くて王位は継げなかったんだ。 2歳下の弟がいるんだが、ロストークでは第一王子しか王位を継承できないから俺を死んだ事にしないと弟が国王になれないのさ。」 「…だとしても離宮にいれば良かっただろう。森の中で人目につかないように生きているなら問題無いじゃないか。わざわざ不自由な旅の暮らしなんかしなくてもいいと思うがね。」
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