第5章 風車小屋と竜

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ルーチェの後ろから 「そうだったんだね…。」 と声がした。いつの間にかラドニーが立っていた。 「この風車小屋にそんな思い出があったとは知らなかった。そりゃあ壊したくないよね…。悪かった。」 「俺の方も意固地になっていたさ。もう少し落ちついて話せば良かったのに。」 ハンは少し照れて言った。 「特に質の良い小麦をこの風車小屋で挽いたらどうだろう?」 ラドニーも風車小屋の事を考えていない訳ではなかった。 「ここで挽いた粉の方が香りがいいのは確かだからね。 誰かへの贈り物とか、特別な日の為に買いたいと思う様な、ちょっと高級なお菓子を作ったらいいんじゃないかな?」 「それはいいわ!おじいちゃんとジンなら、きっと素敵なお菓子が作れるわ!」 ルーチェが言った。 「ハンと一緒にやれるなら僕も嬉しいよ」 「ああ。…また一緒にやれるんだな…」 ジンとハンも、すんなりと話しを受け容れた。 「そうと決まれば…」 ラドニーは小麦の仕入れ先や機材の手配を約束した。 …後の話しだが、可愛らしい竜の形のクッキーが、ここの名物として広まる事になる…  
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