第5章 風車小屋と竜

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セレとエルグは、それからも工場でしばらく働いていた。 その日も小麦粉の袋を積み上げていた。 「わぁーっ!」 男の叫び声がした。 「何だ?」 見ると、あの機関室の魔法使いが走り回っていた。 「ネズミだ!俺はネズミが大嫌いなんだ!」 大声でわめきながら、走り回るネズミを火の魔法で攻撃していた。 しかし、ことごとく外れて周りの小麦粉や機材に火がついた。 セレがすぐに消し止めたので、大事には至らなかった。 今までのボヤや、機械の破損の原因はこれだった。 「恨みや嫌がらせではなかったんだな。」 それなら何も厄介な事は無い。 単なるネズミの駆除なら、色々と方法はあるだろう。 …結局、この工場と風車小屋をめぐる問題は何も無くなったんだな…と、セレは思った。 そして、ジンとルーチェは2週間後に風車小屋の前で結婚式を挙げる事にした。 急な日程なのは、セレ達がここにいる間に挙式をしたかったからだ。 「2週間後か…何とか間に合うな。」 とセレは言った。 「…間に合う…?まさかイタズラをするんじゃないでしょうね?」 ピアリが言った。 「プレゼントを用意するんだよ。」
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