第5章 風車小屋と竜

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「そうじゃないよ。」 ジンは笑った。 「やっとピアリが目覚めたんだ。今までみたいにセレの想いが片っ端から弾かれるって事は無いと思うよ。」 「片っ端から…って…言ってくれるな…」 「ただ、しばらくは繊細だからそっとしといた方がいいよ。…脱皮したばかりで鱗が柔らかい時みたいだ。 その後はセレ次第だ。頑張ってみるといい。 …素のままのセレで告白できるといいね。」 「うん…ありがとう。ジンからは教わる事ばかりだ。」 「…お互い様だよ。1ヶ月程だったけど、こちらこそありがとう。…また会えるかな?」 「帰り道に寄れるかもしれないな。」 「是非そうして。楽しみにしているよ。」 「ああ。」 セレとジンは昔からの友人のように笑顔で頷き合った。
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