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 世は“創作物”で溢れていた。  これまで才ある者達は、自身が生きた証を“作品”という形にして世に残してきた。文学、アート、ミュージック、ゲーム……その表現方法は様々であるが、プロ、アマを問わず人々は自己を表現しようと競うように作品を創作していった。  だが、ついに人類の創作活動に限界が訪れた。膨大な数の創作物を作り過ぎたため、人の発想力が枯渇したのだ。  何を作り出しても既にある物の二番煎じ、三番煎じ。新しい物を全く生み出せない。ようやく生み出せたところで他の作品と比べられ叩かれる始末。そんな現状にクリエイターを名乗っていた者達は嫌気がさし、一人、また一人と消えていった。  西暦2060年。ここは、自由に創作行為ができなくなった“オワリの世界”--
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