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「い、いいいや、え、なんで、結野くん?????え?????」
「とにかく今は寝てください。ごはん食べてます?」
「え、えっと食べてないです・・・・けほっ」
「その様子じゃ薬もまともに飲んでないですね。体温計は?」
狼狽える俺のことはそのままにして淡々と聞いてくる彼。
てかほんとなんで。真田は?
引き出しの中にある体温計を渡されて大人しく計っていると、彼は持ってきた白い袋をガサガサと漁って我が家のキッチンの方へと消えた。
そのうち体温計が鳴り、見てみると〈39.5℃〉・・・。またクラクラしてきた。
「少しでも食べてください。卵雑炊です。あ、体温計は?」
「・・・え?」
「39.5℃か・・・。汗出てますか?」
なんかホカホカしてる皿を持ってきてる彼。体温計も奪われて、しどろもどろしてると着ていた部屋着の襟をずらされて汗の確認をされた。
ちょっとこれ恥ずかしいんですけど・・・。よくよく考えたらシャワーも金曜日の夜が最後だし、俺くさくない??
「汗あんまり出てないですね。まずは少しでも食べて薬飲んで寝てください。食べられますか?」
「う、うん・・・」
「じゃあ、はい」
スプーンとホカホカの皿をポイっと渡された。おいしそう・・・。でもあんまり食欲ない。
なんとか何口か食べてギブアップした。それから水と薬を渡されて飲んだ。
「はい、布団かぶって寝てください。冷えピタはりますね」
「うぅ」
「冷たいのも慣れて気持ち良くなってきますよ。あと氷枕」
か、甲斐甲斐しい・・・。
薬も早速効いてきたのか心なしか体が楽になった気がする。
あと冷えピタと氷枕が気持ちいい・・・。
金曜日の夜はごめんだとか。
なんで俺んち知ってんのとか。
バイトはどうしたのとか。
色々気になったものの、余計なことは聞くなよという彼の無言の圧力で聞くことはできなかった。
そして気づけばウトウトしてそのまま瞼を閉じていたのである。
まあ、一番言いたいのは真田どこ行ったんだよまじで。
お前のせいで謝罪とか言い訳どころじゃなかったんだけど????
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