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はい。朝ですね。しかも月曜日。 勿論彼はいない。 リビングのテーブルには書置きがあって、キッチンの鍋の中に生姜スープがあるから少しでも胃の中に入れて薬を飲めとのこと。 スマホにラインの通知があり、見たら真田。貴様。 『会社には俺から連絡しておいた!今日は休んでOK!部長も安静にしてなってさ!』 いやいや。まあ休むけど!まだ熱計ったら下がり切ってはなかったし!気が利くな! でもそれよりも何よりも事情を説明しろよ!!!!! 『ありがとう。ところでなんで昨日は結野くんがうちに来たのカナ?』 『お!回復したか?昨日はバイトくんが俺の会話を聞いてたらしくて、どうしても自分が行くってきかなくてな!なんか風邪もバイトくんのせいだって気にしてたし』 へ、へー・・・。 彼の方から来てくれたのか・・・。 風邪は完全に俺のせいなのに。 BARでも感じてたけど、やっぱり真面目だな。そして昨日でわかったけど、律儀だ。 『そうだったんだ。彼にも悪いことしたな。今度BARに謝りに行くよ』 『あ、でも〈随分軟弱なんですね〉ってどぎつい声で言ってたから、完治してから行った方がいいぜ!安静にな!』 めっちゃ怒ってるじゃん!!ディスられてるし!! 真田にはそこそこに返信して、とりあえず昨日はあんまり味わうことができなかった彼が置いていった料理を温めて食べる。かなりおいしいんですけど。 ・・・まさかこれはもしかしなくても手作りだろうか。 弱っている胃に優しい味付けのスープをゆっくり飲んで、彼は良い奥さんになりそうだと思った。 そのまま言いつけどおりによく休んで、水曜日には職場に復帰することができた。 休んでいた分の遅れを取り戻すためにもいつもよりもハイスピードで業務を片付ける。 そんなことをしていたらあっという間に金曜日。 すなわちあの事件から一週間が経ったというわけである。
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