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「・・・こういうことですよ。この人はただの人たらし」
「え、俺ディスられてんの?」
「まあまあ。でももうほんとにやることないから上がっていいんだよ。着替えておいで」
よくわかんないけど、マスターの笑顔に根負けしたのか結野くんは奥に引っ込んでいった。
「もうすぐだと思いますから、待っててあげてくださいね。城崎さん」
「ええ、なんかすいません」
「いえいえ、僕はあの子がああやって会話しているのが嬉しいだけなんで。ただのお節介です」
眉毛を下げて笑うマスターがなんだか彼の保護者みたいに見える。そんな年齢ではないのに不思議だが、元々面倒見の良い人なんだと思う。
そういえばマスターと彼はいつからの付き合いなんだ?
それいついて訊こうとしたところで奥から私服に着替えた彼が出てきた。
・・・グッジョブマスター!
心の中で感涙し、私服に包まれた彼の太ももをチラチラ見る。ガン見したい・・・。
迷惑そうな彼に促されて店内を後にする。最後までマスターは優し気な笑みでこちらを見送ってくれていた。
「はあ、マスターに変な気を遣わせちゃったじゃないですか」
「あ、コンビニだ。ちょっと待ってて!」
「って、ちょっと!」
近くにあったコンビニに入り、目当てのものを買い、外で待っていた彼に渡した。
なんか不満気なんですけど?
「人の話聞いてください。そしてなんですかこれ」
「肉まん。」
「じゃなくてそのあなたが持っている缶のことですよ」
ついでに買ったビールです。
にっこり笑って質問をスルーしたら、めちゃくちゃため息つかれた。
「今の状態でも大分酔ってますよね?それ没収しますよ」
「いいからいいから。結野くんもお腹減ったでしょ?食べながら歩こうよ」
「だから人の話を聞けって言ってるんですけど?」
はい無視―。
今日はほんとに気分がいいのです。一日の終わりに好みの下半身を脳裏に焼き付けたいだけなんです。
そのまま彼の家の方向へ歩き始めると、彼も渋々といった感じでついてきた。
横へ来る彼の姿をちらりと見る。
ふむ、今日はチノパンですか。
弾力のありそうなケツのきれいな形が固い生地に包まれてもわかります。
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