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土日を廃人のように過ごしてあっという間に月曜日になってしまった。 あの医者に匙を投げられたときからどうやら記憶が曖昧である。 「おおーい、城崎、もう昼だぞ?」 「時間の経過は残酷だな」 「何言っちゃってんの?」 気づけば昼休憩の時間になっていたらしく、周りの連中はもう外に出ていた。 暇なのか最近毎日ランチの誘いをしてくる真田に今日も連れられて、そば処へ。 頼んだざるそばがくるまでそこまで時間はかからなかった。 ズズズっと一気にすすって、咀嚼する。そのときに真田がこちらを凝視していることに気づいた。 「なに?」 「なんか今日も上の空だよな」 「・・・好きでそうなってるわけじゃない」 「また悩み事か?」 悩みが悩みなだけに口をつぐんだ。 真田がどんだけいい奴であろうと、こんなナイーブな話を真昼間からする勇気は俺にはない。 ・・・それでも自分の性癖というものが迷走しすぎていて、自分の中での漠然とした焦りにも限界だった。 「真田ってさ」 「うん?」 「女性以外に興奮したことある?」 「ブホっ!?」 わりとオブラートに包んだつもりが、真田はすすってる途中のそばをまた器に戻してしまっていた。下品だぞ。 「女性以外って・・・、え、男ってこと?」 「・・・」 「ま、まあないかな・・・。城崎は・・・?」 「・・・」 それが言えたらこんなに苦労しないのである。 なんとなく気まずい雰囲気になり、そばを食べ終えたらそそくさと支払いを済ませ、二人無言でオフィスへ戻った。 午後もそれなりの仕事をして、残業もこなし、現在20時。 自宅へ帰り、コンビニでテキトーに買った弁当を食べている。 自炊をしない分、毎度のコンビニ弁当の味には飽きつつある。 そういえば、熱で寝込んだときに作ってくれた結野くんのごはん、おいしかった。 優しい味付けで、三十路が近い自分に合わせてくれたのだろう。 途端に今食べているコンビニ弁当がおいしくなくなってきた。 結局半分を残し、シャワーへ入ることにした。 『勃起不全ではないみたいですね。何か他の病気でもないと思いますよ』 ボーっと髪を洗っていると、あの医者の言葉がふと脳裏に蘇る。 ―――じゃあなんで勃たないんだよ・・・。 下へ視線を向けると通常時の息子。起き上がった息子はあのとき以来見ていないのである。
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