定義を考えよう

０３

試しに再度ゲイもののAVを観てみる。

・・・やっぱ勃たないんだよなあ・・・。

どう観ても気持ち悪いとしか思えない。
ましてや自分がこのAVのように誰かと当事者になるなんて想像しようものなら、間違いなく吐ける。まじで。

「・・・」

たしか、この前射精したときは水着女子のケツが彼のものだったならと想像したはずだ。
それならこのAVの女役？の男の子を結野くんに変換して想像してみれば・・・

・・・。
・・・・・。

「嘘だろ・・・」

勃った。

一体俺の脳内はどうなってしまったんだ。
画面では男役の方が女役の方にバッグから挿入してる真っ最中。
このアンアン喘いでいる男の子が結野くんだと思ったら、息子くんは勢いよく起立。

・・・落ち着け。とりあえず要点をまとめよう。

・ノーマルなAV(女性出演)では何も反応しない
・アブノーマルなAV(男性のみ出演)でももちろん何も反応しない。
・なんでもいいから結野くんにチェンジするとアドレナリン大噴出

問題はそれがなぜかってことだ。
一つ思い当たるのは、彼の下半身が今まで思い描いていた理想そのものすぎて、他では物足りなくなってしまった可能性である。
結局他のケツを見たところで彼のものと比較してしまう。(そして彼のものが勝つ。)

俺の息子は一生涯でこれ以上とない至宝を見つけてしまい、他のガラクタには一切興味を抱くことができなくなってしまったということである。
この点ではある意味息子は正しい。

てことは何か？
俺は一生彼以外では興奮できないということか？

頭を抱えたくなった瞬間、画面から一際でかい喘ぎ声が響き、そちらへ視線を向けた。
突いている方が激しく腰を振っている最中で、それと比例して女役の男優の声が大きくなっている。
もうそろそろフィニッシュであろう雰囲気に、ハッとした。

俺はこういうことを彼としたいのだろうか。

「・・・」

男同士のSEXなんて今まで考えたこともない。というか今でも考えたくない。
でもそれが彼とだったら？
この赤い顔をして喘いでいるのが彼で、俺が彼をそうさせているなら？

「・・・ッ」

また勃ってきた・・・。

どうやら、俺は彼限定で性的興奮をし、あまつさえその彼とSEXしたいらしい。