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「お前ってばどうしちゃったんだよ・・・。」 「さあな。とにかく困ってるんだ」 「・・・なに、新しい扉を開いちゃいそうってこと?」 「いや、それはもう開いてるっていうか・・・」 「は?」 彼を想像して自慰をしてしまったことはさすがに言うまい。 「この前、彼の家に行ったんだけど、」 「もうそんな関係なの?!」 「いや、俺がただ酔っぱらってっていうか」 「・・・おま、最低だな」 「今の一言でどこまで想像したんだよ」 まあ当然である。酔っぱらって性欲の対象である相手の家に上がり込む時点でもはや話の雲行きは怪しい。 「だってお前さっき『盛った』って言ってただろ」 「・・・言葉のとおりなんだけどさ。気づいたらキスしててさ」 「うわあ・・・」 「しかもディープ」 「ないわ・・・」 客観的にみてもやっぱりあの時自分のしでかした行動は最低だった。 彼が激怒した気持ちもわかる。 ――――でも。 「まじでもう会えないとか嫌なんだけどぉ・・・・・・」 冒頭に戻るわけである。 半泣きになりながら項垂れる俺に、呆れたようにため息をつく真田。 「それはもう自業自得だろ。謝っても許してくれなかったんだろ?」 「謝ったけど『消えろ』って言われた・・・うぅっ」 「思い出して泣くなよ・・・」 「・・・ならアドバイスくれ・・・」 「もう真摯に謝りたおすしかないだろ」 「・・・連絡先知らない」 「詰んだな」 泣きたい・・・。わりと本気で。 こうして他人に八方塞がりだと言われてより一層絶望的な気持ちになる。 だからせめてアドバイスだけでも欲しい。 「そもそもさ、お前告んないの?相手、ゲイなんだろ?」 「え?」 「え?」 思考回路が一瞬停止した。 そんな俺に真田が口元を引き攣らせた。 え?なんで? 「告んないよ。だって別に恋愛対象として見てるわけじゃないから」 「はあああああ????」 「いや、性欲の対象ではあるけどさ。彼と付き合おうとかってのは思わないっていうか・・・同性と恋愛とかってピンとこないっていうか」 「お前バカなの?性欲の対象っていうのはわかるよ。でもそんなどうでもいい相手にそもそもこんなに考えてる時点で少なくとも恋愛感情で気になってるってことだろ」 「・・・」 衝撃がはしった。 「同性とどうのこうじゃなくて、単純に相手ともっと一緒にいたいって思わねえの?」
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