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・・・そっか。うん、そっか。
「・・・なに頬染めてんだよ」
「・・・なんかこの年齢になってめっちゃ恥ずかしいことしてるなって思って」
呆れた顔でこっちを見てくる真田に熱くなっている自分の顔面を隠すように手で覆った。
よくよく考えればストンと納得がいった。
今まで好みの相手にここまで頻繁に会いに行ったりしなかった自分が、彼に対しては会いたいという衝動が抑えられない。
いくら至高の下半身を持っているとはいえ、さすがにおかしい。
思えば、自分は初対面で会ったあの日からずっと彼が欲しくてたまらなかった。
数日前に自分が彼に言った言葉を思い出す。
『・・・俺はね、君ともっと仲良くなりたいと思ってるよ』
いやもう何言っちゃってんの俺。もうこれ告白してるようなもんじゃん俺。
「百面相になってるとこ悪いけど、もう昼休憩終わるぞ」
「待って真田。もしかしたら彼に俺の気持ちもうバレてるかもしれない!」
「でしょうね。さ、ほら会計」
「え!?ちょ、待って!?」
先に会計を済ました真田が、さらっと言った。
「どうせ無自覚なまま思わせぶりなこと言ったんだろ?」
「ぐっ、本気で今は好きって自覚したんだから思わせぶりってわけじゃ、」
「中途半端のままキスまでして拒否されたんだろ?お前にからかわれたって思ってるか、お前の気持ちに気づいてて本気で拒絶してるのかどっちかだ」
「まじか・・・」
どっちにしろだめじゃんか・・・。
思い出してみれば拒絶されたときに『からかうのも大概にしろ』的なこと言われていた。
「今度は何半べそかいてんだよ。さっきからイイ男が台無しだぞ」
「・・・イイ男だったら拒絶なんてされてないよ」
「それもそうだな」
ちょっとはフォロー入れてくれ。
がっくり項垂れながら歩くと、ポンっと肩に手を置かれた。
「ま、現状的に厳しいけど、諦めるにしろ追いかけるにしろよく考えてみたら?」
「追いかける」
「即答かよ」
だって諦めたらもうこのまま会えなくなるってことだろ?
冗談じゃない。
「やっと自分の気持ち自覚したんだからこのまま諦めるわけないだろ」
「ほー、やっぱイケメンはポジティブだよな。そもそもその学生くんがゲイかバイでもないかぎりフラれること確定だと思うのは俺だけ?」
「そうでした!!!」
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