第2章 最後の訪問者

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輝火(かがほ)、氷の国へ行くぞ。準備を急がせろ」 その言葉に返事もなく、部屋に待機していた兵へ指示を送る。 「氷の国になにかあるの?」 私の問いに紅夜(こうや)は全く反応せず、輝火(かがほ)が代わりに答えてくれる。 「氷の国隊長と紅夜(こうや)隊長は犬猿の仲ですからね。まぁ現在の隊長は皆仲があまりよくないですけどね」 輝火(かがほ)の説明に紅夜(こうや)の機嫌がどんどん悪くなるのがわかる。そんなに嫌いな相手なのだろうか? 「嫌いというよりは苦手なんだ。特に氷の国隊長はな。あいつに頼るのは嫌だがそうも言っていられないだろ?」 仕方ないと言わんばかりの表情を見せ、初めて紅夜(こうや)の微笑む、仏頂面以外の表情を見た。そんな表情1つでも絵になるほど、美形なんだと改めて思わされる。 「でも二人ともそんな若くして隊長や副長なんて凄いんだね。優秀なんだろうな」 何気なく呟いた言葉が地雷だったと、誰がわかるだろうか? この一言で紅夜(こうや)の表情はまた不機嫌なものへ戻る。
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