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「僕はわかりませんけど、今の隊長は皆優秀ですよ。学生時代からずっと競い続けているので、隊長の前では禁句ですけどね」
そっと私の耳元で輝火が囁く。しかし、今日何度目かわからない衝撃的な発言だった。
「学生時代からって、今の隊長は皆若いってこと?」
「はい。学生時代は彼らは皆同学年でしたからね。ちょうど20歳になったばかりの人達ですよ」
紅夜のすごさをまた1つ知ってしまう。
「それに、隊長や副長は40歳で引退になります。若いかはわかりませんけど、皆そのくらいの年齢ですね。40歳を超えると民間兵にしかなれませんから」
ただただ驚くばかりで、言葉が出てこない。ただ、やっぱり私のいた世界とは違うんだ、と改めて思わされる。
「無駄話はそのくらいだ。行くぞ」
紅夜はそう言うとこちらを見向きもせずに部屋を後にする。苦笑いを浮かべながら続く輝火。
仕方なく私もその部屋を出た。予想もしていなかった物語が始まりを告げた。
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