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その言葉に少し見直す。乱暴なイメージがあったがやはり隊長と呼ばれる存在だけあり、気遣いは出来るようだ。こう言っては失礼だが、さっきまでのやり取りからはとても思えなかった。
心地好い風が髪を靡かせる。私が寝かされていた場所は、城だったようで振り返ると日本の城のような建物が小さく見える。町中にある建物も、時代劇で見るような民家。所々で商売人が魔物の肉や武器などを売っているのが見える。
体感で一時間くらい走ったところで、門が見えてきた。どうやらここからが火の国の外になるよう。
隊長に副長が揃って出かけるのに、門番はなにも言わず、私達を通してくれた。
空を見上げると、太陽がちょうど真上に見える。
「ここからはもたもたしていると、時間がかかり過ぎる。少し飛ばすからしっかり捕まっていろ」
門を出たところで紅夜が私に囁く。私が頷いたのを確認したのか、少しづつ速度が上がる。さっきの倍以上のスピードだった。
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