第18章  雷泪

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慌ただしく、戦の準備にかかる。裏門に回った3人とは別れ、残った4人で簡単な打ち合わせが行われる。 「紅夜(こうや)は兵を率いて、左翼から攻撃。出来るだけ気付かれずに近づき、奇襲が望ましい。俺は中央で指揮を取る。俺に注目が集まるように派手に動くつもりだから、なにがあっても気にするな。桃華(ももか)は万が一の可能性を考えて待機。香恋(かれん)の警護を最優先に」 そこまで一気に捲し立てる。指示された2人も納得のようで、なにも意見を言わない。 「私のほうは避難指示だけなので、副長、兵長、組長、白飛(びゃくひ)はそちらにお貸しします」 白羅(はくら)の後ろに控えていた役職者たち。黒葉(くろは)の指示を待っている。 「それは助かる。なら、光璃(ひかり)は俺の。白飛(びゃくひ)桃華(ももか)の他の2人は紅夜(こうや)の指揮下に入ってくれ」 各国から連れて来ていた兵はせいぜい百人程度。もちろん他の国の役職者はいない。圧倒的に不利な戦いが幕を開ける。
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