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「ここで話せる内容じゃあない。入国の許可はもらえるか?」
蒼真さんの言葉に光璃さんも真剣な表情へ変わる。
「現在、光の国では至るところで魔物が活発に行動しています。そちらの商人達の許可はまだ出せません。しかし、隊長達だけなら許可しましょう」
隊長達だけ。その言葉に不安になる。私はその中に含まれるのだろうか?
「とりあえずそれでいい。そちらの隊長を交えて話をしよう」
返答を聞いて、少し期待していただろう商人達も肩を落としながら戻っていく。許可が降りるまで待つ者、他の国へ向かう者と様々だ。
「では、守護城へ案内します」
光璃さんを先頭にようやく光の国の門をくぐる。どうしていいのかわからず、門の前で立ち尽くしていると紅夜の声がした。
「なにをしている香恋。早く来ないとはぐれるぞ」
優しさもなにもない言葉だったが、すごく嬉しく感じた。一緒にいていいとわかったからだろう。
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