第4章 交わる光

15/20
前へ
/271ページ
次へ
「ここで話せる内容じゃあない。入国の許可はもらえるか?」 蒼真(そうま)さんの言葉に光璃(ひかり)さんも真剣な表情へ変わる。 「現在、光の国では至るところで魔物が活発に行動しています。そちらの商人達の許可はまだ出せません。しかし、隊長達だけなら許可しましょう」 隊長達だけ。その言葉に不安になる。私はその中に含まれるのだろうか? 「とりあえずそれでいい。そちらの隊長を交えて話をしよう」 返答を聞いて、少し期待していただろう商人達も肩を落としながら戻っていく。許可が降りるまで待つ者、他の国へ向かう者と様々だ。 「では、守護城へ案内します」 光璃(ひかり)さんを先頭にようやく光の国の門をくぐる。どうしていいのかわからず、門の前で立ち尽くしていると紅夜(こうや)の声がした。 「なにをしている香恋(かれん)。早く来ないとはぐれるぞ」 優しさもなにもない言葉だったが、すごく嬉しく感じた。一緒にいていいとわかったからだろう。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加