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「戻ったのは先程ですよ」
白羅さんがいることを聞きつけたのか、他の隊長もここへやって来る。
「戻ったのなら、書状は読んだのか?」
怒気のこもった声で紅夜が詰め寄る。散々待たされてばかりだったから機嫌悪いみたい。
「えぇ。そちらの女性が案件で間違いないですか?」
私を見つめながら、聞く。直視されて少し恥ずかしくなる。美形に見つめられる経験なんてなかったから余計に。まぁ隊長クラスの美形なんて芸能人でもあまりいないだろうけど。
「はじめまして。光の国で隊長をしています白羅と申します」
誰からの返事も待たず、私へ自己紹介を始める。やはりこの人もマイペースなのだろうか。
「香恋です」
上手く言葉が出てこず、名前だけをなんとか伝える。後ろで紅夜や紫吹が文句を言っているが白羅さんは素晴らしいくらいに無視していた。
「香恋さん、火の国で保護された訪問者なのに生きているなんて運がよかったですね。輝火あたりが発見者でしょうか」
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