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ちょっと待って。私はまだ名前しか言っていないし、火の国で保護なんてまだ誰も言っていない。
「なんで輝火が発見者なことまで知っている?」
怒気から明らかな殺気へと紅夜の纏う雰囲気が変わる。
「簡単ですよ。書状には紅夜と蒼真、桃華の名が記されています。保護したのが火の国でないのなら紅夜、あなたは動かない。そして怪しいのなら切り捨てるのがあなたです。でも香恋さんは生きている。輝火が説得でもしたと考えるのが妥当だと思いますが?」
白羅さんの言葉に紅夜はなにも言い返せないでいた。正にその通りだからだろう。
「この世界では見かけない茶色い髪、服装。そして隊長が3人も動く存在。訪問者と簡単に予想出来ます。書状が届いたのはもう10日以上前、私が動くよりは待っていれば来ると思っていました。まさか紫吹まで一緒に来るとは思っていませんでしたけどね」
紅夜の、他の隊長の性格を全部考慮したうえで動かなかったのだと主張する。更に私のことも見透かすように。
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