第5章 雷鳴

2/13
前へ
/271ページ
次へ
「なるほど。幻獣種(げんじゅうしゅ)の発見、新種の疑い、香恋(かれん)さんの訪問での違和感。確かに色々調べてみる必要があるものばかりですね」 翌朝に光の国を出発し、現在は雷の国へ向けて移動中。道中でこれまでそれぞれが感じた今回の問題点や疑問点等を意見交換している。 光の国でも、今までとは違い上位種(じょういしゅ)の魔物が多発していたようだ。 「これらの事が重なることが偶然とは思えない。必ず裏で動いているやつがいるはずだ」 蒼真(そうま)さんの意見に隊長達は同感なのか頷いてみせる。この世界をよく知らない私でも意見に賛成なのだから、隊長達は尚更かもしれない。 「これも偶然じゃないのかもしれないが、雷の国じゃ今内乱が起こっているそうだ。本当に内乱が起こっているなら、かなり面倒なことだぞ」 あのアクセサリを買った商人から聞いた情報なのだろう。その言葉に皆の表情がより強張る。 「また入国に手間取るのか」 紅夜(こうや)の呟きに私もがっくりする。また野宿生活かと思うとやはり嫌だ。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加