第5章 雷鳴

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光の国でも光璃(ひかり)さんがいるから、白羅(はくら)さんは安心して皆と行動を共にしている。それと同じなのだろう。 「そう言えば彼は、弟はそちらでちゃんとやれていますか?」 その言葉に驚く。桃華(ももか)さんの弟が風の国副長なことに。 「あぁ、さすが姉弟と言ったところか。最近はお前に似て強く美しい戦士になってきている。男にしておくのは勿体ないくらいだ」 そう言って笑う紫吹(しぶき)桃華(ももか)さん以外の3人は呆れた目を向ける。 「相変わらずその女癖の悪いところは治ってないようだな」 「俺からすれば特定の相手も作らず、遊ぶわけでもない紅夜(こうや)、お前のほうが信じられないけどな」 その答えには私も苦笑いしか出なくなる。でも少し意外だった。紫吹(しぶき)が女癖が悪いのも意外だけど、紅夜(こうや)が恋人すらいないことが。 「さっきの話で1つ聞いてもいいかな?」 どうしても気になることがあった。 「風の国副長は桃華(ももか)さんの弟なんだよね? 桃華(ももか)さんは土の国なのにどうして兄弟で国が違うの?」
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