第5章 雷鳴

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短い前髪を逆立て、後髪は肩まで伸びて黄色い。黄色い瞳に腕には雷の腕章。おそらく彼が雷の国隊長だろう。 「いつからいた黄流(きりゅう)?」 雷の国隊長が現れてから、気のせいか紫吹(しぶき)の態度が少し違う。どこか苛立っているようにも見える。 「俺を置いて先に闇の国に行くかってところからかな」 いたずらっ子のような笑みを浮かべ答える。 「来たのなら声をかけたらどうだ? 俺達はお前を待っていたのだから」 やはり紫吹(しぶき)はどこか苛立っているようだ。言葉に刺がある。 「それでお前がいいのなら手を貸すが、それでいいのか?」 間に入るように蒼真(そうま)さんが遮る。 「俺としても早期決着したい問題でもあるからね。それに皆も無関係じゃないから俺だけで片付けるのもどうかと思ってたとこだしね」 「無関係じゃない?」 雷の国隊長、黄流(きりゅう)くんの言葉に皆の表情が曇る。無関係じゃないってどういうことなんだろう。
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