第5章 雷鳴

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「あくまで噂なんだけどね。主犯は雷の国元隊長で間違いないと思う。でも、他の国で元副長や兵長をやってた奴が協力してるって話がある。特に火と氷に関しては見かけたって話もあるくらい。その噂が本当だったら、俺だけで討伐するのは逆に問題かなって思ってんだ」 これには他の隊長も驚きを隠せないようだ。でも心当たりがあるのか困惑と険しさの混ざった表情をしている。 「それが事実なら全員で討伐するほうがいいでしょうね」 「調べさせた報告だと、本陣は雷鳴山(らいめいさん)の頂上。人が通れそうな道は2つ。そのどちらにも途中に砦があるらしいよ。おそらくどちらかを攻めたら本陣がこの国を落とすつもりだったんだろうね」 用意周到。流石元隊長が指揮しているだけはあるのかもしれない。 「それは少し妙だな。悪いが雷の国元隊長がそれほどの作戦を思いつくとは思えない」 私は隊長はここにいる皆しか知らない。でも、蒼真(そうま)さんの言葉に前に輝火(かがほ)凍耶(とうや)ら副長が言っていた、今の隊長は特別の言葉を思い出す。
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