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幼い頃の自分を見下ろすのは少し変な気分だ。まるでテレビを見てるように当時を再現する物語り。
あれは小学生になったばかりの頃、学校終わりに友人だった人達と公園にいた私達。
【今日も香恋ちゃんの洋服格好いいなぁ】
幼い頃の私と背格好の似てる男の子。名前はなんて言ったかな。思い出せない。
【いいでしょ。お父さんが昨日買ってくれたんだよ】
嬉しそうに自慢する私。まだあの人を『お父さん』と呼んでいたあの頃。
【僕も香恋ちゃんみたいな服着てみたいな】
【なら着てみる?】
引き金となる言葉が交わされる。思い出したくない過去が溢れだす。見たくない。何度叫んでみても幼い私にも彼にも今の私の言葉は届かない。
やがてトイレで着替えた二人が姿を現す。お互いの服を交換して。その直後だ。ナイフを持った不審な男が公園にやってきたのは。そのナイフで何度も何度も彼を刺し続けたのは。
後で聞いた話では、お父さんに解雇された恨みだったらしい。その日からお父さんと呼ばなくなっていた。
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