第6章 隊長の戦い

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敵の本陣より西にある砦に向かうは、白羅(はくら)紅夜(こうや)黄流(きりゅう)の部隊。打ち合わせは事前に済ませてあり、後は攻めこむだけである。 「ではお2人共手はず通りにお願いしますね」 砦よりやや離れた場所で最終確認が終わる。 「黄流(きりゅう)、好機を見失うなよ?」 「紅夜(こうや)こそ、俺が行くまで持ちこたえてよ?」 険悪な雰囲気はないが、渋々といった感じで両部隊を率いてこの場から離れていく。白羅(はくら)はこのまま後方待機する様子だ。 先行するは赤い旗印を掲げた部隊。その部隊を率いて砦の正面へ陣取る。 「俺は火の国隊長、紅夜(こうや)。この砦を大人しく明け渡すか、この場で俺と戦うか?」 その言葉に砦内部がざわめく。他国の隊長が攻めてきているのだから当然だろう。誰も想定していなかったことなのだから。 「何故他の隊長がここに」 砦を率いる者も慌てずにいられない。元々これだけの兵を率いる器ではないのだから尚更だろう。しかし、決断はそこまで迫られている。
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