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騒がしい物音といい香りが私の意識を呼び戻す。
ゆっくりと目を開けると、どうやらベッドに横たわっているのがわかる。私のではないことは周りを見てすぐ気付く。
まず目に入ってきたのは、真っ赤な髪を肩の辺りで切り揃えた美形の男性。アニメの世界に出てきそうなほど美しい男性が私をベッドの横から見下ろしていた。
それともう1人。同じく真っ赤な髪を逆立てたこちらも美少年。ベッドの横にいる男性と違いその瞳まで真っ赤だった。
時代劇で見るような少し古い造りの部屋。寝惚けたままの私でもここが自分の部屋ではないことはわかる。
「紅夜隊長。起きたようです」
ベッドの横にいる男性が奥にいる男性へ声をかける。忍者を思わせるような装束を2人とも着ていた。紅夜と呼ばれた男性は腕に『火』と書かれた腕章をつけていた。
ベッドの横にいた男性と入れ替わるように紅夜と呼ばれた男性が私の側へ。何故か嫌な予感がし、胸がざわめく。
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