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新たに戦場に加わる黄流率いる部隊。門を護る兵は紅夜の部隊に蹴散らされ、ほぼ無防備になっており続々と砦への侵入を許していた。
外の戦いでも兵士を斬ろうとしても
「やらせない。お前は下がっていろ!」
紅夜が傷付いた兵士を守り、敵を斬り倒しいく。圧倒的な敗戦と誰の目にも明らかだ。
「時間を稼ぐことも出来そうにないか」
一人になった指揮する者はそっと裏口から脱出する。
「やはり、部下を見捨てて逃げますか」
脱出すら簡単ではなく、そこには白羅率いる部隊が待ち構えていた。
「白羅、何故ここに?」
「貴方ならここから逃げ出すと思っていました。かつて国を、部下を捨てた貴方ならね。元光の国兵長、翡翠」
白羅に詰められて尚、この翡翠はこの場から逃げ出す道を探していた。すでにそんな道は残されていないとわかっていながらも。
「俺を兵長から解任したのはお前だ。そんなお前の下で働けなかっただけだ」
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