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「貴方は勝てると判断出来なければ出撃すら躊躇って任務を怠る。そんな貴方を何故、光璃が兵長に任命していたか私には不思議でした。しかし、今こうして我々の前に立ちはだかるのなら、あの日やはり斬っておくべきでしたね」
冷たく静かな声に翡翠は動くことすら許されないでいた。いや白羅の指摘したことを本人も理解していたからかもしれない。
一方、砦内部にいた敵をほぼ排除し、黄流の部隊が制圧していた。砦にいた兵をほとんど紅夜が受け持ったおかげだが。
その紅夜は制圧に少し手こずっていた。
「隊長、右翼の部隊が大打撃を受けています」
今も戦い続ける紅夜の元へ報告が入る。敵を斬り倒しながら報告の入った部隊へと目を向けると味方部隊を薙ぎ倒す敵兵が見えた。
「こっちはもう大丈夫そうだ。お前らに任せる。俺はあっちの援護へ向かう」
そう言い残し先程見かけた敵の元へと全速力で向かう。赤髪の敵兵を目指し。
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