第6章 隊長の戦い

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隊長に就任することは頑なに拒み、隊長を決める大きな試合ではわざと負けていたが、真面目に戦って彼女に勝ったことのある戦士は『現隊長』を含めて誰もいない。紅夜(こうや)以外は戦った経験もないので正確にはどちらが強いか謎ではあるが。 「あなたが何故こんな奴らの下に?」 「妾は誰にも従わぬ。お互いに利用しておるだけじゃ」 ただ言葉を交わすだけ。それだけで紅夜(こうや)は異常なほどプレッシャーを感じていた。 「丁度よい。紅夜(こうや)お主も妾に力を貸せ。未熟なりとも妾が少しばかり手解きをしたお主じゃ。少しは役にたとう」 禍秦(かしん)の言葉に紅夜(こうや)は拒むことを拒否されている感覚に陥る。 「なにが目的だ?」 「簡単なこと。蓬莱島(ほうらいとう)の全てを手に入ることよ」 「俺達隊長を倒すつもりか?」 その言葉にプレッシャーがより強くなる。禍秦(かしん)が怒っているようだ。 「お主らなど相手にしておらぬ。目的は神官及び更なる上の存在だけよ」
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