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「神官より上? 神官が最高位のはずじゃ?」
紅夜の言うように都を纏める者は神官と呼ばれる。その神官より上の存在など知るはずもなかった。
「妾はもう行く。気が向いたら妾を訪れるがよい」
結局戦うことも、連れて行くこともせずに立ち去ろうとする禍秦。
「そうじゃ紅夜よ、目に見えることが真実ではない。本当の敵を見誤るでないぞ?」
意味深な言葉を残し、今はもうその姿は見えない。
「本当の敵?」
禍秦に言われた言葉を深く刻みこむ。意味は今の段階ではわかりようがなかったが。
禍秦が戦地から去ったことで残る兵も戦う気力が残っておらず、降伏する形となる。ただ一人、今も足掻く翡翠を残して。その翡翠も白羅が対峙しており、時間の問題のように見える。
その証拠に黄流と紅夜が残存部隊の確認をしていると、翡翠の首を持った白羅が現れる。
「ここの戦いは終わりました。本陣へ向かいましょう」
死者火の国3名、負傷者、火の国48名。雷の国、22名、光の国損害なし。でこの戦いの幕は閉じる。
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